当初の楽観的な予想に反して、新型コロナウイルスの感染拡大は止まるところをしりません。グローバル化はこうした感染症の拡散という危険な側面をもっていることを改めて認識させられました。

新型コロナウイルスの影響で、参加を予定していた研究会やイベント中止の連絡が次から次へと舞い込んできます。いま一番の気がかりは、3月末のアメリカ・マイアミでの学会参加のこと。アメリカ比較国際教育学会(CIES)の発表申し込みが受理されて、ポスター発表をすることになっているのですが、このまま日本からの入国を認められるかどうか。すでに日本からの入国を禁止した国もあります。飛行機のチケットを買うのはギリギリまで待っているのですが、大会参加費やホテル代は支払済。大金が無駄にならないことを願うのみです。

ほぼ毎日在宅勤務状態の中、うれしい出来事が一つ。拙稿が掲載された、日本教育学会機関誌『教育学研究』が届いたのです。論文タイトルは「国際教育協力における日本型教育実践移転の成果と課題:授業研究を事例に」。発行予定は2019年12月だったのですが、1月を過ぎても雑誌が届かず、ずっと気になっていました。手に取ってしげしげ眺めると、投稿締め切りを控え、出張先のホテルで徹夜で作業したことが懐かしく思い出されます。

上記論文は邦文の単著ですが、2019年には英文で共同執筆した論考が2冊の書籍に採択・出版されました。これも2018年から2019年にかけて出張先からメールでやりとりしながら仕上げた思い入れのあるものです。多様な経験を持つ、個性豊かな実践家や研究者の方々との共同作業は掛け替えのない財産です。

  • 小野由美子(2019)「国際教育協力における日本型教育実践移転の成果と課題:授業研究を事例に」日本教育学会編『教育学研究』第86巻第4号 pp537-549.
  • Chichibu, T., Uchizaki, T. & Ono, Y. (2019). Promoting teacher collaborative learning in leson study: Exploring and interpreting leadership to create professional learning community. In T. Townsend (Ed.), Instructional Leadership and Leadership for Learning in Schools: Understanding Theories of Leading, pp 299-316. Springer Nature.
  • Yoshikawa-Iwasaki, K., Sugiyama, R., Matsuzuki, S., Ono, Y., Ohara, K. & Bevan, G. (2019). Quality learning for all: Policy and Practice of School-Based Continuous Professional development in Rwanda. In T. Huber & J. G. O’Meara (Eds.), Teacher education at the edge: Expanding access and exploring frontiers, pp 179-230. IAP.