皆さま、酷暑にめげず、毎日、楽しく脳喝していらっしゃいますか?

私は、日本からアフリカのルワンダに避暑にやってきました。アフリカで避暑?まさか?と思う方は多いでしょう。しかし、「千の丘の国」と言われるルワンダは、標高が1,000メートルを超えています。滞在している首都キガリの標高は1,400メートル余り、現在(午前1時!)、気圧857.7hPs、気温17度、湿度50%です。

日中でも最高温度が30度を超えることはなく、超乾燥しているので、洗濯ものが良く乾きます。屋内や日陰は涼しく、埃っぽいのを除けば快適です。

Youは何しにルワンダへ?

読者の皆さんは、そう思っていらっしゃったのではないでしょうか。仕事?調査?うーん、足して2で割る感じでしょうか。

実は、2021年のコロナ禍、JICAの調査業務でルワンダ国内の貧しい農村地区を回りました。10年近く、ルワンダで仕事をしてきましたが、初めて、農村地区の過酷な現状を知りました。やせた土地で、ほぼ自給自足の生活。成人は1日1食、幼い子どもたちは、良くて2食。しかも食事内容は、サツマイモ、豆、ドド(葉物野菜)が主で、脳の健常な発達に不可欠な動物性たんぱく質が圧倒的に不足しています。政府もいろいろ対策を講じているのですが、末端の、最も必要とされる人にはなかなか十分には届きません。

政府の対策の1つが、就学前の子どもたちを対象とした保育制度の展開です。就学前の子どもを持つ家族が集まって、子どもに居場所を提供し、そこで、栄養補充のためのおやつとしてお粥を提供し、同時に、知的刺激を与えて、子どもの健全な発達を促そう、というものです。

日本の保育所と同じようなモデルECDセンターと言われるところもありますが、圧倒的に多いのが、家庭内ECDセンターです。詳細は、是非とも、力作の報告書(https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/12367298.pdf)を読んでください。あまり知られていないのがほんと、悲しいですが。

前置きが長くなりましたが、報告書の中では栄養改善や良質の知的刺激についていくつか提言もおこなっています。それらを組み合わせて、地方の恵まれない地域で、実践してみたい、と思ったのです。今回は、そのための情報収集が主な目的です。

絵本の読み聞かせ

2021年の調査から、ECDセンターでは、ほとんど絵本の読み聞かせが行われていないのに気が付き、今回は、日本からいくつか絵本をもってきて、実際にECDセンターで読み聞かせをしました。

就学前の子どもたちは、キニアルワンダ語以外、ほぼ通じません。そこで、語数が少ないもの、繰り返しの多いもの、動きのあるものを基準に選書し、日本語版は「だるまさん」シリーズと「やさいさん」を持参しました。また、英語版はご存じ、カラフルなイラストで人気のエリック・カールの絵本シリーズ。

結論から言うと、エリック・カールの「はらぺこあおむし」は出てくる食べ物になじみがなく、子どもたちの反応が悪い。「The artist who painted a blue horse」は、色、動物の名前を英語で学ぶのにいいかな、と思ったのですが、実際に、生活で見たことのない動物が多いこと、見たことのある動物も色が違うので??という感じでした。



人気だったのは、しかけ絵本の「やさいさん」。かくれんぼしている野菜を、葉っぱや地上にちょっとでている部分から想像する、というものです。ここでも、「ごぼう」、「かぶ」、「だいこん」というルワンダ人には馴染みのない野菜がでてくるのが難点。そこはスキップ。

「だるまさんが」は、体をゆすりながら、だるまさんの真似をする、という動きのあるもので、これも人気。

見かけないムズング(白い人=外国人)が突然やってきて、わけのわからないことを始めるので、戸惑った子どもも多いようでした。

けん玉遊び

お金をかけないで作る、ということで、ペットボトルを利用しました。時間がかかっても自分で作れば、1人に1つけん玉があるので、楽しく遊べただろうなぁ、というのが反省点。

糸を短めにするのがコツでしょうか。やはり、年長児のほうが上手にできました。



木下ファーム

安く、持続的に動物性たんぱく質を供給できないか、と考え、ルワンダで持続的循環農業をめざしている、木下一穂さんの農園を尋ねました。キガリから北東へ車で3時間余り。
ちょうど、子豚が生まれたばかりでした。

木下さんは元青年海外協力隊員(JOCV)です。木下さんについてのプロフィールは以下を参照(https://afri-quest.com/archives/1949)してください。とても楽しい、魅力的な方です。養豚、養蜂、話始めると止まりません。

農園では、トウモロコシ、キャッサバ、マカダミアナッツ、バナナが植えられ、トウモロコシやキャッサバの不要部分は豚の餌に。固いマカダミアナッツの殻も、土に混ぜるとか、汚染水の浄化とか、いろいろと使途があるようです。

木下ファームについては、詳細は来月のブログに書きたいと思います。実は、これから、ルワンダ人2人と、私の実験場になるかもしれないコミュニティとECDセンターを訪問し、皆で、帰りに木下ファームを再訪する予定です。さて、どんな展開になるか。次号をお楽しみに。

ペットボトルけん玉は、研修会でも披露
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生まれたばかりの子豚@木下ファーム
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