皆さま、毎日楽しく脳喝!していますか?
朝晩ようやく寒くなってきました。和太鼓ルワンダ公演の波乱万丈な日々も、ついに最終回です。カヨンザ郡での大盛況の公演を終え、公式ツアーは幕を閉じました。しかし、ツアー裏方としての私の戦いは、キガリに戻った後も続いていたのです。
8月18日(月) 悲劇再び!? 大使公邸での大ピンチ
8月17日(日)の最終公演後、私たちはAkagera Good Neighborsのゲストハウスに宿泊し 、翌日キガリへ戻りました。そして、その夜に「悲劇が…!」と前回予告した通り、思いがけない大ハプニングに見舞われてしまいました。
8月18日(月)、午後5時からは在ルワンダ日本国大使公邸にて、福島功大使閣下招待のレセプションが予定されていました。このツアーでお世話になった方々やメディアの方々をご招待しての慰労会で、もちろんメンバーは演奏を披露する予定で、皆張り切っていました。
準備のため、メンバーと太鼓は大使館に早めに到着しました。ところが、ここでまさかの事態が発覚!なんと、前の晩の大雨により、屋根付きのケータリング用トラックに積んでいた太鼓が濡れてしまっていたのです。
「どうする!? このままでは太鼓がダメになってしまう、演奏できない!」
急遽、ドライヤー、アイロン、扇風機といったあらゆる手段で太鼓を乾かす緊急作戦が発動されました。ゲストハウスにドライヤーを取りに行き、大使館で扇風機とアイロンをお借りして、メンバーと大使館スタッフの皆さんと、文字通り総力を結集して必死に太鼓を乾かし続けました。
最高の「こけら落とし」
こうして、全員の力でこの危機を乗り越え、無事に太鼓の演奏を披露することができました!
心温まるレセプションでは、大使館を挙げての歓迎を受けました。心のこもった日本食もふるまわれ、メンバーの笑顔もはじけます。演奏後は、大使館に来る前にキミロンコ・マーケットで受け取ってきたキテンゲ(アフリカ布)の洋服に着替え、レセプションでお披露目することができました。
在ルワンダ日本国大使館は、移転して間もないとのこと。福島大使から「良いこけら落としになった、日本とルワンダの文化の橋渡しとして末永く活動して欲しい」という大変光栄なお言葉を頂戴し、メンバー全員、胸がいっぱいになりました。
KEFLでの初公演をはじめ、St Tarcisius小学校でのJapan Day、ルワンダの教育を考える会(TER)主催の平和コンサートでの演奏、そしてカヨンザ郡での2公演。今回のツアーでは、文化の力が国境や歴史を越えて平和を願う心を結ぶのだと、改めて実感しました。この大使公邸での演奏と、温かい歓迎が、過酷な移動やハプニング続きだったツアーの疲れをすべて吹き飛ばしてくれました。
エピローグ:カタール航空、往路の奇跡と復路の「やっぱり」
今回のツアーは、和太鼓教室「破魔」のリーダーに声をかけた、私の「有言実行」がきっかけで始まりました。国際交流基金の海外派遣事業への応募から採択、太鼓の厳重な梱包と輸送―。そして、福島大使が「ロストバゲージ率50%くらいですよ」とさらりとおっしゃったカタール航空。往路では奇跡的に、人も荷物も17個すべてが無事にキガリに到着しました。「これがどれほど奇跡的なことか、この時点ではまだ知る由もありませんでした」と前回書いた通り、まさに神がかり的な幸運だったのです。
ところが―。
復路では、太鼓が3台、スーツケースが1台、見事にロスト。「やっぱりね」と苦笑いするしかありませんでした。カタール航空、往路で奇跡を使い果たしてしまったようです。幸い、数日後には無事に届きましたが、「行きは神頼み、帰りは覚悟」-これがカタール航空との付き合い方なのかもしれません。
思えば、今回のツアーは最初から最後まで、ハラハラドキドキの連続でした。それでもすべては、ルワンダの地で、和太鼓の力強い響きを通じて心を結ぶためだったのだと、いま改めて感じています。











