皆さま、毎日楽しく脳喝!していますか?
南半球の南アフリカからお届けします。冬が終わり、春を迎えたここはジャカランダの季節。首都プレトリアは「ジャカランダ・シティ」と呼ばれるほど、街が紫の花で彩られます。タクシーの窓からチラリと見えたジャカランダは、ちょうど咲き始め。さて、前回に続き、和太鼓ルワンダ公演の波乱万丈な後半戦をお届けします!
8月14日(木) Japan Day
ルワンダ東部ルワマガナのSt Tarcisius小学校で開催された「Japan Day」。キガリから車で約2時間、日本留学経験者が設立したこの小学校で、和太鼓を中心に日本文化を伝える一大イベントです。
NPO法人LeaDの副理事長Nさんのリーダーシップのもと、ルワンダ在住の日本人(多くは協力隊員)の協力で実現。広い校庭には地元の子どもたちが大勢集まり、目をキラキラさせて開幕を待っています。広い校庭では、和太鼓とルワンダの力強い太鼓の競演が青空に響き合い、集まった子どもたちは目を輝かせてくぎ付け!
一方、教室では理科実験、ハンドベル、工作、生け花、けん玉といった企画が盛りだくさん。なかでも、徳島の阿波踊りをZOOMで中継し、プロジェクターで映し出した映像に合わせて和太鼓のリズムで踊るひとときが圧巻! 隊員の一人は徳島出身で阿波踊りはお手の物。扇子を手に華麗に舞う姿に、教室は歓声と熱狂の渦に包まれました。
この日は4WDと荷台の大きなトラックで移動。屋根のない荷台はブルーシートで覆い、太鼓の積み下ろしは毎回の大仕事。汗と笑顔が響き合った一日でした。
8月15日(金) Peace Concert
この日は終戦記念日。ルワンダではルワンダの教育を考える会(TER)の主催する平和コンサートでの演奏です。この平和コンサートはライブ中継されるとあって、事前に日本の太鼓仲間にも知らせました。なぜ、日本の終戦記念日にルワンダで平和コンサート?と思われる方も多いでしょう。ルワンダのジェノサイドを逃れて日本に避難し、日本に帰化したマリールイーズさんが、平和の大切さ、教育の大切さを広く訴えるためにはじめられたものです。
会場はキガリから北へ2時間弱、ギチュンビ郡のミヨベ。狩猟採集民族のトワ族が政府の方針で定住したこの地で、TERは住民の自立を支援しています。娯楽の少ないミヨベの人々にとって、和太鼓破魔のプロの演奏は衝撃そのもの。拍手は鳴りやまず、「WADAIKO HAMA」の響きは老若男女の心に刻まれました。その拍手に包まれて、音楽が国境も歴史も越えて平和を願う心を結ぶのだと、改めて実感しました。 公演の様子はYouTubeでチェック!(https://www.youtube.com/watch?v=hJZo6pzmjUg)
会場となった小学校の校庭は、尾根のある小学校の校舎から数十メートル下に下ります。校舎と校庭までメンバーは何度往復したことでしょうか。しかし、過酷な移動も、地域の方々の笑顔で吹き飛びました。キガリまで、2時間。夕食は出前のハンバーガーで済ませ、早々に床に就きました。
8月16日(土) キチュキロ区長宅歓迎会
束の間の休息日。メンバーはキガリ市内を軽く観光し、夕方からはキチュキロ区長宅での歓迎夕食会へ。山羊の串焼きという盛大なもてなしに驚きつつ、太鼓演奏のリクエストも!結局、この日も太鼓と共に出動です。
メンバーの一人が裏千家のお点前を披露し、一期一会の時間をゲストと共有。ルワンダの夜に、日本の心が響き合いました。区長ご一家の温かさに触れ、「文化交流とは心を分かち合うこと」だとしみじみ感じました。
8月17日(日) カヨンザ郡
いよいよ最終日。2か所での公演です。前夜、配車不可と言われたトラックは、なんとか屋根付きのケータリング用トラックを確保。雨予報の中、胸をなでおろして出発しました。日曜の道は空いているはず…と運転手の楽観を信じたのも束の間、ルワマガナを過ぎたところで検問に引っかかりました。
運転手のモーリス(日本名タカシ)は書類を見せ、電話で必死に弁明するも、進展なし。もう1台は日本大使館の招待状でスムーズに通過したのに、こちらは違反チケットの未払いが原因で足止め。30分のロスを経て、ようやく会場「Ready for Reading(RfR)」に到着。
円形劇場のような中庭に超満員の観客が待ち構え、地元のお母さんたちのダンスと太鼓で幕開け。RfRは子どもたちの読み書きを支援するNGOで、音楽やダンス、ICTクラスを通じて地域の誇りを育んでいます。和太鼓チームの女性2人の力強い演奏は、伝統的に男性が担うルワンダの太鼓文化に新風を吹き込み、拍手喝采! 女性のエンパワメントを体現した瞬間でした。昼過ぎに公演を終え、20分離れた次の会場「Akagera Good Neighbor(AGN)」へ。
AGNはストリートチルドレンに学びや趣味を楽しむ機会を提供するNGOです。その会場には、大きなテント3張りと椅子がずらり。予算がないはずなのに、この盛大な準備に感動! 寸劇や空手、体操、ダンスと多彩なプログラムで、地元の人々は大喜び。素朴なイベントが極上のエンターテインメントになる瞬間を、肌で感じました。主催者からは「毎年きて!」とのうれしい(けど無茶な)リクエストも。会場を後にする時、「文化の力がこんなにも人を元気にするのか」と胸がいっぱいになりました。
こうして公式ツアーは終了。この日はAkagera Good Neighborsのゲストハウスに泊まり、翌日キガリへ戻りました。が、その夜、悲劇が…! 続きは次回ブログをお楽しみに!


















